1日目の3月23日は、高町なのは役/田村ゆかりさん、フェイト・テスタロッサ役/水樹奈々さん、クロノ・ハラオウン役/高橋美佳子さん、ユーノ・スクライア役/水橋かおりさん、アルフ役/桑谷夏子さん、そして八神はやて役/植田佳奈さん、シグナム役/清水香里さん、ヴィータ役/真田アサミさん、シャマル役/柚木涼香さん、ザフィーラ役/一条和矢さんの10名がゲストとして登場。この10人がオープニングから顔を揃えるのは「リリカル☆パーティー」史上、初めてのことで、司会を務めたキングレコード・三嶋章夫プロデューサーも感慨深そうな表情を見せていた。
これだけ会場の規模が大きくなっても、内容自体は初期の頃からあまり変わらないのが「リリカル☆パーティー」のいいところ。今回も前半は恒例のゲームコーナーが行われる運びとなった。だが、今回ちょっと違うのは、今までは個人戦で行われていた対決がチーム戦になったこと。なのは率いる「チーム・ミッドチルダ」(田村さん、水樹さん、高橋さん、水橋さん、桑谷さん)と、はやて率いる「チーム・ベルカ」(植田さん、清水さん、真田さん、柚木さん、一条さん)に分かれての全面対決で、負けたチームは全員が罰ゲームを受けることになるという。罰ゲームの内容も「リリカル☆パーティー」ではおなじみの巨大風船だけでなく、日本茶に角砂糖とミルクを加えた「リンディ茶」を飲まなければならないとあって、両チームとも気合いを入れて対決に臨んでいた。
第1回戦は「おえかき対決!」。お題で出されたテーマに沿った絵をチームの全員が描き、その中から代表者を決めて、どちらが良いかお客さんの投票で決めてもらうというもの。絵に関しては全出演者中1、2を争う"画伯"である田村さん&水樹さんがいるとはいえ、プロ顔負けの絵を描ける桑谷さんがいるチーム・ミッドチルダにとって、これは有利な対決か? 実際、最初のお題の「なのはとフェイトの再会シーン」では、ベルカ代表の柚木さんの絵も頑張ってはいたが、誰もが唸るほどに可愛いなのは&フェイトを描いた桑谷さんの圧倒的勝利。ところが2番目のお題「ナハトヴァール」で、何を思ったかチーム・ミッドチルダは田村キャプテンを代表に選出。その独創的センスで描かれた絵で会場の笑いをさらっていったものの、ヘビが絡まる様子を的確に表現した植田さんの絵が勝利を収め、このコーナーは両チームとも100ポイントずつ獲得の引き分けとなった。
第2回戦は「名台詞を蒐集せよ!」。今回初となるこのゲームは、「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's」に出てきた数々の名台詞からくじ引きで選んだものをひとりずつマイクの前で実演して、その声の大きさを頁数に換算してチームごとの合計を競うというもの。必殺技などの大声で叫べるセリフは思いきり出せばいいとして、あまり声を張らないセリフの場合にどう対処するかが勝負の分かれ目だ。
ちなみにこのコーナーでは、セリフを言う際の気分を盛り上げるためにと、各キャラクターが使用するデバイスをイベントの為だけに制作するという力の入れよう。ずしりと重いレイジングハートやバルディッシュを田村さんや水樹さんが手にして名台詞を言うという、貴重なショットが見られた。なお、デバイスのない人については、水橋さんはユーノ(フェレット)のぬいぐるみを持って、桑谷さんと一条さんは犬耳を装着して台詞を言うことに。犬耳を着けた2人には「かわいいー!!」という大きな声が飛んでいた。
1巡目は、「フェイトちゃん……」(なのは)、「……友達だ」(フェイト)を3回ずつ繰り返した(しかも3回目は叫んだ)チーム・ミッドチルダが444頁、柚木さんが「シャマルビーム!!」をぶち込んできたチーム・ベルカが472頁の蒐集に成功。ひとりで100頁を叩き出した一条さんはガッツポーズを見せていた。もはやこの時点で「オリジナルの台詞そのままに演じる」というルールがうやむやになりつつあったが、2巡目の対決に入る前に本日のスペシャルゲストが登場! レイジングハート役のドナ・バーグさん、闇の書/ナハトヴァール役のサンドラ・ヘフリンさん、そして通訳としてデュランダル役のウェイン・ドスターさんが駆けつけた。ドナさんはウェインさんの通訳を通して「今日はこんなに素敵なパーティーに来られて、うれしくてワクワクしています」と挨拶。サンドラさんは「人が多くて緊張してるんですけど、楽しみです!」と流暢な日本語で挨拶して会場を沸かせていた。
せっかく来ていただいたということで、ドナさんがミッドチルダに、サンドラさんがベルカに加わって対決再開。6人対6人となった2巡目はミッドチルダが542頁、ベルカが545頁を蒐集するという接戦を演じ、ベルカが見事に連勝を飾った。ただし、スペシャルゲストのお二人以外の全員が台詞を大声で叫ぶという、違反者続出の展開となったことは明記しておかなければなるまい……(笑)。
第3回戦は「リリカル☆ランキング」。これは前回の「リリカル☆パーティーⅣ」で好評だった占い企画をパワーアップしてコーナー化したもの。出されたお題についてのランキングで上位だと思う人をチームの中から1名ずつ選出。代表者2名のうちランキングが上位だったほうの所属チームが100ポイント獲得。さらに、代表者が第1位だった場合には+100ポイント、最下位の場合は-100ポイントとなるルールだ。今回、占いをしてくれたのは、テレビ等でも活躍中の人気占い師・ゲッターズ飯田さん。ゲッターズさんによるガチのランキングで、出演者の素顔がすべて明らかになる……!? 最初のお題は「この中で一番お金を貯めていそうなのは?」。ミッドチルダ代表・水樹さんとベルカ代表・真田さんの対決は水樹さんの勝ちで、しかも水樹さんは見事1位に輝いてチームは200ポイントを獲得! ゲッターズさんによると、水樹さんは「社長になると間違いなく成功するタイプ」なのだそう。ちなみに真田さんは4位で、最下位は田村さん。 次のお題は「この中で一番恋愛運に恵まれているのは?」。ゲッターズさんの「びっくりするくらいモテない人がいました」という一言に全員が戦々恐々とする中、ミッドチルダは田村さん、ベルカは一条さんを代表に指名。結果、一条さん=2位、田村さん=8位でベルカの勝利となった。気になる1位は桑谷さんで、もっと気になる最下位は植田さん。「びっくりするくらいモテない人」に当てはまったことにショックを受ける植田さんだったが、「真面目で優しいが、身を引いてしまう」タイプなのだそう。
最後の対決は「シャッフルアフレコ」。「リリカル☆パーティー」に欠かせないこのコーナーは、役柄をシャッフルして本来の役とは違う役を演じたらどうなるのか?というもの。はじめは真面目に始まったコーナーだったが、回を重ねるごとにキャストによる自由な脚色が入るようになり、いつの間にかネタのおもしろさを競うゲームになりつつあるという話も……? この日も1回戦目で、シャマルを担当した水樹さんによる「シャマルビーム!!」はありつつも、基本的には真面目だったミッドチルダに対し、ベルカはひたすらヴォルケンリッターをアピールする内容にセリフを改変。客席のジャッジでベルカに軍配が上がったことでミッドチルダも作戦を変更。2回戦目ではなぜか全員が相撲取り風にセリフを言ってみたが、これが悲しいくらいに滑ってしまう……。迎えた3回戦目では幼児風にセリフを変えてきて、その涙ぐましい努力が同情を引いたのか、からくもミッドチルダの勝利。このコーナーは何とか1勝1敗で終えるのだった。
すべての対決を終えての合計は、チーム・ミッドチルダ=400ポイント、チーム・ベルカ=500ポイントでベルカの大勝利!! 結果が発表されるとすぐに膨らんだ風船の洗礼を受けたミッドチルダの5人は、追い打ちをかけるようにベルカの5人がブレンドしたリンディ茶を飲む羽目に……。ところが、お味のほうは個人差があったようで、水樹さんのように一口飲んだだけで体を小刻みに震わせていた人もいれば、桑谷さんは「結構いけます」と涼しい顔。こうして最後まで波乱続きのゲームコーナーは、大盛り上がりのうちに終了となった。
続いてはお待ちかねのライブコーナーだが、セットチェンジの間に再びゲッターズさんがステージに登場。「占いのおかわり」ということで、高橋さんと桑谷さんがもう少し詳しく占ってもらうことに。ゲッターズさんによると高橋さんは「生まれつきヘンタイで、天才タイプ。心が小6で止まっている」人なのだそう。また、桑谷さんは「究極におっちょこちょいの星」の元に生まれたのだそうだ。三嶋プロデューサーも交え、今後の運勢の話で盛り上がっているうちにライブの準備は完了。まずは植田さんが「Snow Rain ~Ver. Holy Night~」を披露して、その優しい歌声で会場全体を癒すのだった。
続いての登場は水樹さん。「ETERNAL BLAZE」「Silent Bible」の連発で、いきなり会場を熱く盛り上げる!
「ここからは激アツな曲が続きます! これでもか!というくらい熱い曲で皆さんと一緒に飛びまくっていきたいと思います!!」
その言葉通り、「Sacred Force(EXTENDED MIX)」「SECRET AMBITION」「BRIGHT STREAM」と熱く、力強くステージを盛り上げて、全力全開の「BRAVE PHOENIX」で締めくくった水樹さん。そして、バトンを受け取った田村さんは「Little Wish ~Lyrical step~」「Spiritual Garden」の2曲を続けて歌い上げる。ふんわり甘くて、ちょっぴりせつない"ゆかりん"の歌声に、会場はピンクのサイリウムを振って声援を送る。
「この2曲は懐かしいですね。『Spiritual Garden』は結婚式で使ってくださる方も多いそうですけど……恋愛運が8位のゆかりに語られても、と思いますよね(笑)。新しい出会いに期待しつつ、今日は進めていきたいと思います」
先程のゲッターズさんの占いをかなり気にしている様子の田村さんだったが、もちろん歌のほうはパーフェクト。「Tiny Rainbow」「微笑みのプルマージュ」「星空のSpica」「滑空の果てのイノセント」と立て続けに歌い、3人合わせて全13曲のライブコーナーはとても充実した内容であっという間に時間が過ぎていった。
イベントの最後には、重大発表が待っていた。ステージ上の全出演者、そしてアリーナとスタンドを埋め尽くしたすべてのファンが見守る中、スクリーンに映ったのは「『魔法少女リリカルなのは』劇場版第3弾、製作決定!!」の文字。これには会場からの一際大きな歓声と、出演者からの「やったー!!」という喜びの声が沸き上がる。
約4時間にも及んだ大熱狂の1日目は、製作決定を祝した「劇場版第3弾に、セーット! アーップ!!」の掛け声を会場の全員で叫んで、ハイテンションな気分のままで幕が下ろされるのだった。
「リリカル☆パーティーⅤ」2日目の3月24日は、前日に引き続いて参加のゲスト10人に加えて、リインフォース役の小林沙苗さんも駆けつけてくれた。「リリカル☆パーティー」初参加となる小林さんは「パーティーに出られて、とってもうれしいです!!」と笑顔でファンに挨拶する。一方、チーム・ミッドチルダは「今日は負けないように頑張ります」(水橋さん)、「今日こそは勝ちたいと思います!」(桑谷さん)と前日のゲームコーナーの雪辱に燃えている様子。ミッドチルダがリベンジを果たせるか? それともチーム・ベルカが連勝するのか? ファンが固唾を飲んで見守る中、最初のコーナー「おえかき対決!」で、ミッドチルダは早くも反則スレスレ?の技を繰り出してきた。
それは「リンカーコアを抜かれるなのは」というお題が出されたときのこと。ミッドチルダ代表・桑谷さんの絵は前日と変わらぬ高いクオリティーだったが、なのはの苦しむ表情に合わせて「ああーん」という悲鳴が書き込まれていた。その「ああーん」を田村さんがちょっとセクシーに読み上げたものだから、会場のファンは大喜び。「もう1回!」というアンコールの嵐が巻き起こる中で、「みんなが投票してくれたらね」とアピールする田村さん。ベルカ代表・小林さんの健闘も虚しくミッドチルダの圧勝となった。
「名台詞を蒐集せよ!」はチーム・ベルカが6人になったことにより、ミッドチルダは水樹さんがフェイトとアリシアの二役を担当することに。もちろん、この日もそれぞれのデバイス(&ぬいぐるみユーノと犬耳×2)が用意され、小林さんには武装化状態のナハトヴァールが渡された。ナハトヴァールを腕に装着した小林さんが加わったことで、この日もベルカが優勢かと思われた中、ミッドチルダのキャプテン田村さんが全力全開で「スターライトブレイカー!!」を撃ち放つ! すると頁数は過去最高の102頁を記録し、会場は大いに沸き上がる。しかし、その直後に一条さんも102頁を叩き出し、結果としてまたもやベルカが連勝。ここまでの勝敗は、前日とまったく同じ流れになった。
ポイントが大きく動いたのは「リリカル☆ランキング」のコーナー。最初のお題「この中で一番精神年齢が低いのは?」では、ミッドチルダ代表の高橋さんが1位でベルカ代表の柚木さんが最下位となり、それぞれ+200ポイント、-100ポイントとなった。実は前日の「占いのおかわり」で高橋さんが「心が小6」と言われていたので、その言葉を信じたチーム・ミッドチルダが1位の予想を的中させたのだ。一方の柚木さんは「心が60歳です」と言われ、心中複雑な様子……。そして次のお題は「この中で一番エロそうなのは?」。ここでミッドチルダは、以前某テレビ番組の手相占いで「エロ線が4本もある」と言われた経験を持つ水樹さんを代表に選出。ところが結果は最下位となり、せっかく取ったボーナスの100ポイントを失ってしまう。一方のベルカが選んだ小林さんは第10位だったが、着実に100ポイントをゲット。ちなみにゲッターズさんが「1位の方は相当エロいです」と予告していた第1位は、なんと田村さんと柚木さん!ゲッターズさんによると「ゆかりさんは年々エロくなる」のだとか……。
最終対決の「シャッフルアフレコ」で、ミッドチルダがついに切り札を出してきた。最初のお題「リンディとシグナムの会話」で、こんな風にセリフを変えてきたのだ。
「ゆかりさん、出会ったときからずっとあなたのことが……」(水樹)
「初めて会ったときから奈々ちゃんのこと愛してる!」(田村)
「おまえらもう、結婚しちゃえよー!!」(水橋)
「ご結婚、おめでとうございまーす!!」(桑谷)
「幸せになります!」(水樹)
「区役所、行ってきまーす!」(田村)
田村さん&水樹さんという世紀のビッグカップルが誕生するという予想外の展開に、会場からは2日間通じて最大かもしれないというほどの歓声が巻き起こる。中にはスタンディングオベーションをしていた人もいたとか。さらに二つ目のお題では、次々と「私が脱ぐ!」と言いだしてからの「どうぞどうぞ」という、息の合った団体芸を披露。前日の敗戦の悔しさをバネに、ネタのおもしろさも完成度も上げてきたミッドチルダにベルカは一歩及ばず、ここはミッドチルダの2勝となった。そして総合成績でも400ポイント対300ポイントでミッドチルダの勝利!! 見事にリベンジを成功させたのだった。もちろんこの日も、罰ゲームは風船とリンディ茶のダブルパンチだ。「一条さんの(お茶を)作るー!!」と大はしゃぎの田村さんが作ったリンディ茶の中身を見た一条さんは「液体部分がない……」と思わず絶句。「ゆかりん、おっちょこちょいだから間違えちゃった!」とかわいくごまかす田村さんの満面の笑顔で、ゲームコーナー第2ラウンドは無事に終了となった。
ゲッターズさんによる「おかわり」のコーナーでは、清水さんと柚木さんが占ってもらうことに。共通して「恋愛する回数が極端に少ない」と言われる2人。ところが、柚木さんは「魔法少女リリカルなのは」原作の都築真紀先生と相性がいいことが判明!! ゲッターズさんもビックリしたこの結果に「リリパで結婚式しましょうか?」と、柚木さんのテンションも上がる。この先、2人の仲がどのように進展していくかも注目だ!?
ライブパートは前日と同じく3人合わせての全13曲で、水樹さんが「Silent Bible」に替わり「ROMANCERS NEO」を、田村さんが「星空のSpica」に替わり「Beautiful Amulet」を披露した。そして気になる重大発表だが、前日発表されたばかりの劇場版第3弾のタイトルが「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 3rd Reflection」に決定したことが告知された! 内容に関する情報はまだゼロの状態だが、まだ誰も見たこともない「なのは」が描かれる作品になるとのこと。ファンはもちろんのこと、キャスト陣からの期待も一段と高まる中で、残念ながらイベントは終了の時間に。最後はみんなで明るく「『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 3rd Reflection』に、ドライブ、イグニッショーン!!」と声を合わせて、楽しいパーティーは締めくくりとなった。