【新宿ミラノ1】 1回目の舞台挨拶レポート

 新宿ミラノ1での1回目の舞台挨拶は7:30の回の上映後、つまり関係者以外では最も早く本編を見たという“強者”たちが見守る中で行われた。集まったファンの数は立ち見も含めて約1200人。上映が終わったばかりの興奮が冷めやらぬ場内に司会の三嶋章夫プロデューサーが姿を見せると、割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こる。午前中とは思えぬテンションの高まりに「朝からめちゃめちゃ元気!」と三嶋Pも圧倒されていた。
 続いて、お待ちかねのキャスト陣が登場! 今回の登壇者は総勢10名。高町なのは役/田村ゆかりさん、フェイト・テスタロッサ役/水樹奈々さん、八神はやて役/植田佳奈さん、シグナム役/清水香里さん、ヴィータ役/真田アサミさん、シャマル役/柚木涼香さん、ザフィーラ役/一条和矢さん、闇の書の意志役/小林沙苗さん、リンディ・ハラオウン役/久川綾さん、クロノ・ハラオウン役/高橋美佳子さんだ。これだけの豪華な顔ぶれが一堂に会する機会は滅多にないことだけに、場内の興奮も最高潮に達していた。
 全員が揃ったところで、上映後の舞台挨拶にふさわしく、キャスト陣に本編を見た感想を語ってもらうことに――。

 まず、田村さんは「本当に感動巨編という言葉がふさわしい、素敵なアニメでした。出演させていただいてよかったなと思いました」と一言。「ヘビの動きの気持ち悪さに注目していただければ」という、2回目を見る人へのアドバイス(?)も送られた。また、前作では出番の少なさを嘆いていたと三嶋Pに指摘されると、今回も「出番が少ないです!」と言って客席の笑いを誘っていた。
「自分で演じているのに泣きました!」と興奮気味に語ったのは水樹さん。試写会で見た際に、150分間ずっと同じ体勢のままで見続けてしまったそうだ。また、本編ではアリシア役も演じているが「奈々ちゃんって、アリシアも演じているんだね」と小林さんに驚かれたとのこと。「収録が一緒じゃなかったから『誰だろう、このかわいい子は?』と思った」という小林さんの言葉に「よし! まだ“かわいい子”いける!」と自信を深めていた。
 植田さんは挿入歌「Snow Rain ~Ver. Holy Night~」を歌っているが、これは劇場公開まで伏せられていた情報だった。この曲はTVシリーズ「魔法少女リリカルなのはA’s」のときに作られた挿入歌「Snow Rain」を新たなアレンジでレコーディングし直したもの。その話がようやく解禁となったこともあり「新『Snow Rain』いかがでした? 久しぶりにレコーディングをして、昔のこととか思い出したりもして、実際、映画を見てみると、うちのヴォルケンの子たちが序盤から頑張っていて。実は私、最初に2人(なのはとフェイト)が抱き合ったシーンでもうウルっと来ていて、全編楽しませていただきました。みんなも楽しんでもらえたらうれしいです」と、思いのたけを語ってくれた。
 すると清水さんが「ヴォルケンズも歌が欲しいです!」と願望を語り出す。「前回の劇場のときに、ファンの方から『頑張ってください!』『楽しみにしています!』と言われて、『いや、出ていないんです』と言えないことが心苦しかったんですけど、今回ついにヴォルケン解禁になり、そろそろスピンオフを作っていいんじゃないかと(笑)」。客席からは新作への期待を込めた拍手が起こり、実現すれば出番が激減するであろう田村さんや水樹さんが「やめてよー!」「それは困る!」と焦りを見せる中、真田さんや柚木さんも含めたヴォルケンリッター一同の総意として「八神家の話も頑張ります!」と宣言。はたして“リリカルヴォルケン”は実現するのか!? 今後の展開にも注目したいところだ。  ここで三嶋Pが、本作品のアフレコではキャスト全員が共通して「一条さんの演技が規格外!」と思っていたということを明かす。
「特にゆかりちゃんとか柚木っちには『うるさい!』と言われて(笑)。現場でうるさいと言われたのは久しぶりだなと。そうしたら、ディレクターからも『ちょっと抑えましょうか』と……。抑えたんだけど、気持ちとしては抑えられませんでした!」と熱演の裏話を語る一条さんには、客席から惜しみない賞賛の拍手が送られた。
 そして、「なのは」関係のイベントはこれが初登場という小林さんは「まさか呼んでいただけるとは思っていなくて……」と率直な感想を一言。「見終わった後のこのテンションって、すごくいいですね。素晴らしい作品なので、関わることができて幸せです。(闇の書の意志は)いなくなっちゃったので、“リリカルヴォルケン”には出ることができないんですけど(笑)、ぜひ復活したいと思います」。
 久川さんからは、TVシリーズ「魔法少女リリカルなのはStrikerS」を踏まえた上での、「クロノ君とエイミィがその後どうなるかって、もうわかっちゃっていたので、映画の収録のとき『ああ、この子たち……』って、色眼鏡で見てしまいました(笑)」との感想が飛び出した。これにはクロノ役の高橋さんも「ええ? そんなこと考えていたんですか!?」と驚きを隠せない様子。その高橋さんは「この作品を一言で表すのなら何だろう?と思ったときに、自分の大好きなホルモン焼きだなということにつながり、なのはがハラミで……」と熱弁を振るい出す。「ハラミはイヤだよ! 通好みっぽいじゃん!」という田村さんには「ハラミはホルモンの中ではかなりメジャーだよ?」と説得。ところが、話が脱線しつつあるのを恐れた三嶋Pに釘を刺されると「何度も劇場に足を運ぶ価値のある作品だと思うので、皆さん見てください!」ときれいに締めくくるのだった。

 最後に、キャスト一同から改めてファンへのご挨拶――。
高橋「私には使命がありまして、毎週土曜日24:30から『ラジオStrikerS 2nd』、文化放送でやっています! ちなみに今日(7月14日)は、ゆかりんがゲストに来てくれています。しっちゃかめっちゃかなラジオですが、応援してください! そして劇場版もよろしくお願いします!」
久川「今日は本当に朝早くからありがとうございました!」
小林「誰かが誰かを想う気持ち、本当に大切だと思います。皆さんも何か感じていただけたらうれしいです」
一条「我々ヴォルケンズも『ラジオStrikerS 2nd』に出る予定ですので、ぜひ聴いてください。よろしくお願いします!」
柚木「今日は初日ですが、皆さん当然のように5枚、10枚、20枚とチケットをお持ちだと思うので、何回でも見に来てください!」
真田「劇場版になったことで、また私たちも一段と作品への愛が深まったかなという気がしています。これからもぜひよろしくお願いします!」
清水「今、この場に立てることをとても幸せに思います。ぜひ、ヴォルケンをよろしくお願いします!」
植田「次回、劇場版第3弾『魔法少女リリカルヴォルケン』でお会いしましょう! ありがとうございました!」
水樹「劇場版第2弾をこうやって皆さんにお届けできるのが本当にうれしくて…。フェイトと出会ってもう8年という時間が経とうとしていて、もうすぐ(その年数が)フェイトと同い年になるんだなと思うと、すごく感慨深いです。今日は皆さん、朝早くからありがとうございました。ここに来てくれているみんな……『友達だ!』」
田村「今日はたくさんの方に『なのは』を見ていただけて、本当に幸せだなと思います。これからもずっとずっと、なのはさんたちのことを好きでいてくれるとうれしいなと思うので、末永くよろしくお願いします!」

【新宿ミラノ1】 2回目の舞台挨拶レポート

当日11:30の回の舞台挨拶では、上映前ということでネタバレにならないよう気を遣いつつ、立ち見を含めた約1200人のファンの前で各キャストが本作品への思いを語った。

高町なのは役/田村ゆかりさん

「皆さん、今日はハンカチをお持ちでしょうか? 持ってない? じゃあ、サンクスさんで発売されたBOXティッシュはお持ちでしょうか? ……あれ? 持ってない? 大丈夫かなあ~? この後で皆さんが見られる映画は、とても泣ける感じになっていると思います。みんな男の子だけど、今日は泣いてもいいんだよ。というわけで、楽しみに待っていてくれるとうれしいなと思います!」

フェイト・テスタロッサ役/水樹奈々さん

「本当に、泣ける作品になっています。心がグーッと熱くなります。そして、友達をギューッてしたくなります! 今日はここに来た人、全員が友達になって、気持ちをつなげて帰っていただけると嬉しいです。フェイト的な見どころとしてはシグナムとの一戦で“魔法少女なのか? 武士なのか?”という名場面がたくさん詰まっていますので(笑)、皆さんぜひ注目してください!」

八神はやて役/植田佳奈さん

「ヴォルケンは言ったら全部ネタバレになっちゃうから、何しゃべろうかな? ……あ、(植田さんがシュベルトクロイツ、清水さんがレヴァンティン、真田さんがグラーフアイゼンを見せて)自分たちのデバイスをさっき付けたんです。(柚木さんと一条さんから『いいな~!』の声。柚木さんは『心のきれいな人にしかクラールヴィントは見えないの!』というやりとりを受けて)こんな感じでヴォルケン一同、すごく楽しく、せつなく、時に熱く、全編頑張っております。今日は楽しんでいってください!」

シグナム役/清水香里さん

「皆さん、ヴォルケンリッターは好きかーーーー!? 今回、映画で我らが大活躍というか、主を守るために、我らヴォルケン一同、命がけで戦っています。本当に泣ける、素敵なお話になっていると思いますので、ぜひ最後まで楽しんでいってください!」

ヴィータ役/真田アサミさん

「私も試写会で見たんですけど、最初から圧倒されるというか、すごくのめり込める作品だなと思います。ヴィータ的には最初から全力全開で、なのはにぶち当たっていっていますので、その辺りも楽しんでいただけたらなと思います」

シャマル役/柚木涼香さん

「『A’s』ついに劇場版になりまして、私たちもうれしく思っています。今回、2時間半という長編で私たちヴォルケンが活躍できること、本当にうれしいです! 皆さん、買ったチケット分は絶対に見に来てくださいね! シャマルTシャツも買っていってね!」

ザフィーラ役/一条和矢さん

「(ヴォルケン一同&お客さんからの「わんこ!」コールを受けて)本当は狼なんです! なのに、『犬』だ『わんこ』だって僕のことをいじめるんだよ(笑)。……えー、150分という長い時間を使っての一本なんですけど、気持ちの中では150分すぐ過ぎちゃいます。僕も試写に行かせていただいて、46歳のおっちゃんがダーッと涙を流しましたので、皆さんも必ず涙を流すはずです。感動してください!」

闇の書の意志役/小林沙苗さん

「私は本編(TVシリーズ)ではあまり出番がなかったので、今回の映画に呼んでいただけて本当にうれしいです。また、主はやてを想うことができて幸せです。すごく泣ける映画なんですけど、それ以上にバトルの激しさというか、スピード感がすごいので、皆さん心して見ていただきたいなと思います。どうぞ楽しんでください!」

リンディ・ハラオウン役/久川綾さん

「これからご覧になるのであまり多くを語れないんですけど、私的にも突っ込みたいところはたくさんあって、『リンディたち、何階に住んでいるの?』とか『緑茶に何杯お砂糖入れるの?』とか『ザフィーラ、そのご飯は人間用だからよくないよ』とかって、いろいろあるんですね(笑)。本編の素晴らしいお話を楽しみながら、アースラチームも頑張っていますので、クロノの成長ぶりも見ていただけたらなと思います」

クロノ・ハラオウン役/高橋美佳子さん

「2年半前に同じステージで舞台挨拶をさせてもらった『1st』があって、今回『2nd』ということで、みんな、お待たせしましたーーーー!! たぶんみんなも相当楽しみに待っていてくれたかと思うんだけど、その待っていた分を飛び越えてしまうくらいの力がこの作品にはあって、『すごい!』の一言で誰かに伝えたくなるような、そんなパワーが詰まっています。いい意味で胃もたれするみたいな、見終わった後にどっと疲れるくらいの戦闘シーンと、泣かせる場面とあって、私はこの作品を“熱く、泣ける映画”だと言っているんですけど、とにかく最後まで見て、みんな男泣きして帰っていってください!」

 キャストによる挨拶の後は、マスコミ用のフォトセッション、そして客席のファンも協力してのオフィシャルムービー撮影が行われた。ムービーの内容は、ステージ上のキャストが客席をバックにして集合し、田村さんの「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’s」というタイトルコール、その後の「ドライブ!」というキャスト10人による掛け声に続いて、会場の全員で右手を突き上げて「イグニッション!!」と叫ぶというもの。映画公開後のTVスポットなどでよく見かけるおなじみの光景に「なのは」キャスト陣とファンが一体となってチャレンジしたわけだが、その結果は本番一発で大成功!! 本作品の大ヒットに向けて、幸先のよいスタートとなったのだった。