第2話スチールa

夜。アリサとすずかは、電話で仲良く話をしていた。

話題は「なのはの友達」フェイトのこと。

ビデオメールで紹介され、自分たちもなのはと一緒のビデオメールでの返事を返している遠く離れた友人。そんなフェイトが近いうちこちらを訪れるということを聞き、お祝いの準備をしよう、と笑い合う二人。

一方、市街地の結界の中では、傷つき気を失いかけたなのはを守るように、バリアジャケットに身を包んだフェイトがヴィータと対峙していた。

ヴィータが「民間人への魔法攻撃」という管理法違反を犯していることを告げ、武装解除を通告するフェイトだったが、ヴィータは聞かずに、二人は上空で空中戦へと入る。

気を失いかけているなのはに、ユーノが治療魔法をかけながら事情を説明する。

フェイトの裁判が終わって、なのはに「やっと会いに行けるよ」という連絡をしようとしたら広域結界が出来ており、レイジングハートへの通信もつながらないことに不安を抱き、急いで訪れたのだと言う。

フェイトとヴィータの戦闘に、フェイトの使い魔・アルフも参戦。

二人のコンビネーション攻撃の前に、ヴィータは苦戦する。

カートリッジの残り数や、「倒すだけでは意味がない、魔力を奪って帰らないといけない」というジレンマにいらだつヴィータ。

管理局側でも、状況の観測を行っていた。

管理局で主に使用されているミッドチルダ式とは違う魔法のシステムに疑念を抱く一同。

ヴィータは善戦あえなく拘束されてしまい、フェイトに出身世界と目的を聞かれる。

その状況に一瞬安心するアルフとユーノだが、突然、ヴィータに救援が現れる。

白い戦闘衣装に身を包んだ剣士・シグナムと、狼姿の守護獣、ザフィーラだった。

フェイトを一撃で吹き飛ばして後退させたシグナムはヴィータを拘束から解放する。

これから逆転するところだったと反抗するヴィータに帽子を返し、
「おまえがケガでもしたら、我らが主も心配する、あまり無茶をするな」とたしなめるシグナム。

現場にいるフェイトたちから魔力の蒐集を行うため、それぞれ一体一での戦闘をしかけるシグナムたち。フェイト対シグナム、ヴィータ対ユーノ、アルフ対ザフィーラ。

と、ユーノの元へと向かうヴィータ、持っていたはずの闇の書がないことに気づく。

フェイトとシグナム、互いに接近戦の技量は近いものの、武器の強度と威力の圧倒的な差で、フェイトは押されてしまう。

カートリッジロードして、唸り上げるシグナムの剣「レヴァンティン」の前に、防いだバルディッシュも傷つき、壊れてゆく。

このままでは防ぎきれないことを察したフェイトは結界を破っての脱出を試みる。

ユーノとアルフの協力で結界破壊を試みるが、強靱な結界はなかなか壊れない。

シグナムと刃を打ち交わし、傷つきながらも戦いをあきらめないフェイトに、シグナムは自らの名を告げる。

ベルカの騎士、ヴォルケンリッターが将・シグナム、そして炎の魔剣、レヴァンティン。

互いに名乗りあい、フェイトは傷ついたバルディッシュを手に、さらに戦いを続けてゆく。

一方、はやての自宅では、はやてが車椅子を押して趣味の手料理にいそしんでいた。

シグナムたちの帰りを待ちつつ調理をするはやての携帯が鳴る。

電話はシャマルからで、近所のスーパーに頼まれた料理の材料がないので、少し遠くまで捜しに行くという電話だった。

無理をしなくていいとうはやてに、シャマルは「皆を連れて帰りますから」と笑う。

そして電話を切ったシャマルは、フェイトたちが戦う戦場を見つめ、その身はシグナムたちと同じ、騎士衣装に包まれていた。

ヴィータから受け取った闇の書を手に、シャマルは蒐集の機会を狙っていた。

自分がきっかけで仲間たちを危険な目に遭わせていることに、心を痛めるなのは。

レイジングハートはそんななのはの心を察するように輝き、なのはの最大砲撃魔法「スターライトブレイカー」の発射を提案する。

傷ついたレイジングハートの基体では本体破損の危険もあると止めるなのはだが、
レイジングハートは、「撃てます」と静かに告げる。

半年あまりとはいえ、いくつもの戦いと訓練を共に過ごしてきた主従の絆。

その思いに答え、なのははブレイカーによる結界破壊を決意する。

カウントダウンを開始し、わずかにもたつきつつも発射の準備を整えるレイジングハート。

そして、いままさに発射直前というその瞬間。

なのは背後の空間からシャマルの腕が伸び、なのはの胸を貫き、胸の中央から光る「リンカーコア」をつかみだす。

シャマルの遠距離魔法「旅の鏡」。

その魔法によって離れた場所から腕だけを飛ばし、闇の書への魔力吸収を行うシャマル。

またたくまに埋まっていくページ。

なのはを助けようと向かうフェイトを止めるシグナム。

だが、闇の書に魔力を吸収されつつもなのはは最後の力を振り絞り、ブレイカーを発射する。

極限まで高められた魔力は、一撃で結界を破壊する。

管理局の一同も状況を把握し、大いに驚く。

AAAクラス魔導師であるなのはやフェイトが苦戦していたこと…。

そしてなにより、シャマルが手にしていた「闇の書」にクロノは驚く。

あれを知っているのかと聞くエイミィに、「少し嫌な因縁がある」と答えるクロノ。

結界が破られたことで、シグナムたちヴォルケンリッター一同は散開する。

なのはを抱いて介抱するフェイトとユーノ。

しかし、なのはの返事はない…。

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