新宿ピカデリー3回目の舞台挨拶は、15:30の回の上映前に開催された。アニメファンにはおなじみの人気MC鷲崎健さんに続いて、総勢10名のキャストが次々に登壇。高町なのは役/田村ゆかりさん、フェイト・T・ハラオウン役/水樹奈々さん、八神はやて役/植田佳奈さん、アミティエ・フローリアン役/戸松遥さん、キリエ・フローリアン役/佐藤聡美さん、イリス役/日笠陽子さん、シグナム役/清水香里さん、ヴィータ役/真田アサミさん、シャマル役/柚木涼香さん、ザフィーラ役/一条和矢さんという超豪華な顔ぶれに、会場からは大きな拍手が鳴り響く。はやて役の植田さんと、はやての守護騎士「ヴォルケンリッター」役の4人は涼しげな浴衣姿で登場。「八神ファミリー」の絆の深さを感じさせた。
全員が一言ずつ挨拶を終えた後は、テーマに沿ってのトークパート。本編上映前のため「ネタバレNG」という制約はあったものの、それがプラス方向に働き、終始笑いの絶えないトークが展開された。
最初のテーマ「公開初日を迎えた今の気持ちは?」にはキャスト陣全員が回答。田村さんは、長年『リリカルなのは』を愛し続けくれているファンへの感謝を伝え、水樹さんは、11歳バージョンのフェイトを動画で初めて演じられたことの喜びなどを語った。植田さんは、完全新作ストーリーのため、八神ファミリーの出番の有無を心配していたと告白。ネタバレNGを意識して「登壇しているだけで、出ないかも?」と冗談を言うと、清水さんも「ヴォルケンが出てるか、出てないのかは、あなたの目で確かめてください」と、そのネタに乗っかる。その流れに続く形になった真田さんは、コメントに困って笑い涙を流しつつも、「絶対に楽しんで頂ける作品になっているので、最後まで楽しんで下さい」と作品をPRした。そんな真田さんの涙を見た柚木さんが、「今、アサミちゃんが涙を流していたように、いろんなものが『ぽろり』としてくる作品です(笑)」と意味深なコメントをすると、一条さんが「ぽろりは無いよ!」とすかさずツッコミ。作品の魅力として戦闘シーンの多さを上げて、「ヴォルケンも出ています!」としっかり締めた。
また、これまではゲームにしか登場していなかったフローリアン姉妹を演じた戸松さん、佐藤さんと、オリジナルキャラのイリスを演じた日笠さんは、3人全員が長い歴史のある『なのは』シリーズに参加できたことの喜びを語った。
次のトークテーマ「作品の見どころ」に関しても、当然、ネタバレはNG。しかし、水樹さんは「この3人(田村さん、水樹さん、植田さん)が二役を演じるシーン」と、すでに発表済みの情報を生かした回答で上手くクリア。植田さんも「なのはがすごくカッコ良いんですよ。みんなもあるシーンを観たら、『なのは、マジ主役!』と思うはず」と、これから本編を観るファンの期待を大いに高めていた。
新キャラクターのキャスト陣には、改めて「シリーズの主要キャストとの共演について」という質問が。佐藤さんは、「私たちが足を引っ張ったりしないか」と心配していたそうだが、先輩たちが優しく迎え入れてくれて「声優人生にとって良い財産になった」と笑顔で語った。アフレコの日の朝に緊張し過ぎて「バナナしか喉を通らなかった」という戸松さんは、「緊張感を持って臨んだ方が良い作品(物語)でもあったので、その緊張感が作品にも活かせていたら」とアフレコ当日を振り返った。日笠さんは、声優になって初めて受けたオーディションが『魔法少女リリカルなのはStrikerS』だったというエピソードを紹介。「当時、1期や2期を観返したりして、私も『なのは』のファンなんです」と作品愛を告白。共演で感じたメインキャスト陣の凄さも語った。
続いて、主題歌『Destiny's Prelude』について質問された水樹さんは、「イントロを聴いただけで『なのは曲だ!』と感じて頂ける曲」と紹介。作詞も担当しており、「これまでの劇場版の歌詞は、なのはとフェイトの目線を中心に書いたのですが、今回は八神家のみんなや、新しく登場した3人の目線も全部組み込んでいます」と、より世界観の大きな歌詞になっていることを語った。
「アフレコスタジオでの印象的なエピソード」というテーマでは、戸松さんの着ていたセーターの脇が大きく破れていた上に、前後が逆だったという驚きのエピソードを紹介。アフレコ後の記念撮影では、それを隠しながら写真に写っているそうだ。また、スタジオではまさにシャマルのようにキャスト陣にコーヒーを振る舞っていたという柚木さんだが、壇上ではまたも暴走。「奈々ちゃんが超エロい格好だった!(笑)」と暴露すると、水樹さんは「エロくないもん!(笑)」と大慌てで否定。フェイトをイメージして選んだ黒いスカートの一部がシースルーになっていて、ベージュ色のインナーが透けて見えていたため、「みんなに肌が透けてると思われていたんです(笑)」と真相を語った。
爆笑の連続となったトークパートの後は、マスコミ向けのフォトセッションとムービー撮影。ムービーには、会場のお客さんも声で参加。その際、田村さんが『魔法少女リリカルなのはReflection』という台詞を可愛く噛んでしまうハプニングもあり、お客さんも大喜びだった。
舞台挨拶の最後は、キャスト陣全員から来場者へのメッセージ。
一条「『リリカルなのはReflection』、本日初日を迎えることができました。これから2度、3度と観て頂きたいなと思っております。では、最後に……『鋼の軛!!』」
柚木「大きなスクリーンで観られる機会は限られてしまうので、ぜひ何度も観に来てください。こんな感じの舞台挨拶ですけど、内容はたぶん皆さんの想像よりもシリアスな感じです(笑)。頭を空っぽにして楽しんで! またお会いしましょう。ありがとうございました」
真田「公開初日に、たくさんのお客様に来て頂けて。こんなにも愛されている作品に関われていることが本当に幸せだなと思います。最初から最後まで、息つく暇もないくらいのストーリーになっていますので。息するのを忘れないようにして、しっかり観て下さい(笑)。今日はありがとうございました」
清水「こんなに長くシリーズに携わることができて、とても幸せです。初めて『なのは』という作品を観る方もいらっしゃると思うのですが、そういう方も楽しめるし、もちろん、ずっとシリーズを観てくださっている方も楽しめる内容になっていると思います。ぜひ何度も、余すところなく観て頂いて、来年の続編も楽しみにしていてください。ありがとうございました」
日笠「いちファンの私の感想は『きゃー! なのは~!!』です(笑)。皆さんにも、この後、本編を楽しんでいただきたいと思います。本日はありがとうございました」
佐藤「今回の作品、キリエは暴走している部分があって。その中で、自分の中の正義や優しさといったいろんなものを考えさせられました。後編がとても楽しみです。皆さんも楽しみにしていてください。あ、でもまずは『Reflection』を楽しんでください(笑)。本日はありがとうございました」
戸松「人間同士の絆や、友情や、愛などが描かれていて。どの登場人物の視点から見るかで、感じ方が変わってくる作品になっていると思います。ぜひ、何度もいろいろな視点で観て頂けたら嬉しいです。今日はありがとうございました」
植田「今日、こうやって皆さんと同じ時間を過ごせたことがとても嬉しかったです。この映画で初めて『なのは』に触れるという方にも、ずっと『なのは』を応援してくださった方にも『Reflection』を楽しんで頂きたいです。そして、後編も楽しみにしていてください」
水樹「『なのは』無印から13年。長い時間、たくさんの皆さんに愛して頂ける作品に携われていることが、本当に幸せです。スタッフ、キャストが一丸となって最高の愛をぶつけて作った作品ですので、皆さんもぜひ、全力の愛で受けとめて下さい」
田村「長い間続いているこのシリーズがこんなにもたくさんの人に愛されていることは本当にすごいなと思います。私自身、高町なのは役を演じさせて頂く事ができて、とても感謝しています。『Reflection』も楽しんでいってください」
こうして、豪華メインキャストの揃った初日舞台挨拶は終了。登壇者は、客席からの温かく大きな拍手に送られながら退場した。