7月22日の上映開始以降、大ヒット上映中の『魔法少女リリカルなのはReflection』。8月20日(日)には、東京のユナイテッド・シネマ豊洲で、キリエ・フローリアン役の佐藤聡美さんと、イリス役の日笠陽子さん、統括プロデューサーの三嶋章夫さんによる大ヒット御礼舞台挨拶が開催された。
さまざまな作品でも共演し、非常に仲が良い佐藤さんと日笠さん。この舞台挨拶でも「しゅが」「ぴかしゃ」とお互いを愛称で呼び合いながら、絶妙のコンビネーションで、楽しく熱い「なのは」トークを披露した。
司会者からの質問に答える形で行なわれたトークパート。「完成した映像を観ての感想は?」という質問には、全員が順番に回答。
三嶋「7月頭の時点では、本当に公開できるのかという状況だったので。間に合った……という感じで感無量です。セブン・アークスさんの力はすごい。1シーン1シーン、心を込めて作って頂いたので、それだけ時間がかかったんです」
佐藤「絵の力がすごくて、セリフの無いシーンでも視線一つでそのキャラクターの気持ちを感じることができるんです。ド派手なアクションもすごいんですけど、細かなところも丁寧で、さすが劇場版だなって。キリエのシーンも、絵や音楽といったいろいろなものに助けられていて。みなさんと一緒に一人のキャラクターを作りあげていったんだなと改めて感じました」
日笠「私は事務所に入って初めて受けたオーディションが『StrikerS』だったんです。そのときは参加できなかったのですが、10年経って、あらためてこうして『なのは』に関わらせて頂けたことは本当に幸せ。感想は、いちファンとしてのものになってしまうのですが。『これぞ、なのは!』という作品になっていると思います」
そのまま、なのはの魅力で盛り上がる佐藤さんと日笠さん。
日笠「可愛いのに男前ってところが……」
佐藤「ヒーローみたいだよね」
日笠「『ウチのフェイトちゃん、優しいから、困らせるの止めて』ってところとか!」
佐藤「あ~~分かる~~!! やさし~~い!!」
日笠「観てて悶えるというか(笑)。これだよこれって!」
実際に身悶えしながら、ファンのようなテンションで、なのはの男前ぶりを語った二人も、自身の演じるキャラクターについては、一転して声優として真剣トーク。
佐藤「ゲーム(『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE - THE GEARS OF DESTINY-』)のキリエには、天真爛漫でお茶目で少しセクシーっぽいという要素が含まれていたんですけど、劇場版では少しキャラの方向性が変わっていて、ゲームで見えていたキリエよりも、よりシリアス。大切な家族のために……という気持ちを前に出している気がしました。ゲームでは飄々としている部分が多かったのですが、感情を爆発させる部分が多くて。お姉ちゃんとの喧嘩もかなりバチバチで。台本を頂いた時、こんな一面もあったんだなって」
日笠「オーディションの原稿には、イリスの(本当の)感情などについても細かく書かれていて。最初のセリフとかも、そのことを踏まえた上での芝居をしていたんです。でも、実際にアフレコをするときには、監督さんや音響監督さんから『もっと素直に可愛くて良いんです』という指示を頂いたんですね。完成した映像でキリエとの対比を観た時、『なるほど、そういうことだったのか!』と分かりました。そうやって(スタッフやキャストと一緒に)、作品の内容やそれぞれのキャラクター性とかを見ながら作っていくのは、役者としてもすごく楽しいことだなと、あらためて思いました」
しかし、「自身が演じたキャラ以外で、好きなキャラや印象的なシーンは?」という質問になると、再びファン目線でマニアックな内容に。
佐藤「フェイトちゃんがレヴィの戦いのシーンで最後に技を出す時、武器から3つの支えみたいなものがバババッって地面に刺さるんですね。あそこが一番好きなんですよ。あとは、最後のシーンで、なのはちゃんが武器を撃つとき、上とかで軽く構えるんじゃなくて、下に持って、重心を低くして撃つっていうのをちゃんとやっているんですよ!! そこがすごく熱くなるポイントなんです」
日笠「分かる!!」
佐藤「だよね! 小さな女の子があんな大きな武器を撃つときに、腰を入れてしっかり狙って撃ってるんだぞっていうのがカッコ良い。変身シーンも効果音とかが良いんですよね。『なのは』は、男の子の心も、女の子の心もくすぐるし、暴力的なまでにみんなの好きな物を詰め込んでるなって思います」
日笠「そうそう。なのはの腰の入ってる撃ち方を見ただけでも、「なのは! 抱いて!」みたいな感じになります(笑)。あとは、中盤のキリエとの戦闘で、なのはが白いバリアジャケットを脱いで、中の黒い服だけみたいな状態になるんですね。あそこの肩感というか……アーマーを脱いだことで見えるたくましい感じも「抱いて!」ってなります(笑)。新キャラのアミタも一本芯が通っていて。戸松遥ちゃんが演じるまっすぐさも、すごくキャラクターに合ってるんですよね」
佐藤「アミタの登場シーン、カッコ良いよね!」
日笠「超カッコ良い! あとは、最後のところでイリスとキリエの対話のシーンで、キリエが完全に絶望して、倒れかけるところに……現われるアミタお姉ちゃん!」
佐藤「あのお姉ちゃん力がすごい!」
日笠「そうなの! あ~姉妹に産まれて良かったね~~って(笑)」
なのはやアミタだけでなく、すべてのキャラクターについて語れてしまうと豪語する日笠さん。佐藤さんが大きくうなずきながら、映画館で生オーディオコメンタリーをして欲しいとリクエストすると、客席からは大きな拍手が起こった。
最後の質問として、後編『Detonation』について質問された三嶋プロデューサーは、内容については隠しつつ、「戦闘シーンもたくさんあるし、腰も肩も気合い入ってます(笑)。2018年上映と発表もしているし、『Reflection』ほどは待たせません!」と宣言した。
トークパート終了後は、佐藤さん、日笠さんのサイン入り台本や、新垣一成総作画監督のイラストとキャストのサインが入った色紙の当たる抽選会を開催。幸運な4人には、世界に1点しか無い賞品がプレゼントされた。
笑いの絶えなかった舞台挨拶は、登壇者からのメッセージで締めくくられた。
三嶋「なのはシリーズが始まって、もう13年と、長い歳月が流れたんですけど。来年、新作が公開できることも決まっていますので。これからも皆さんに応援して頂いて、キャストの皆さんのお力も借りて、素晴らしい作品に仕上げたいと思っております。まだ前編が終わっただけなので、後編の『Detonation』を観てから、みんなで語り合いましょう」
佐藤「今日は、キリエや作品のことを一歩踏み込んだ形でお話したり、個人的に好きだったマニアックなシーンのお話ができたりして大変満足していますが、いつか劇場で生オーディオコメンタリー的なことができたら嬉しいですね(笑)。私もすごく夢中になっている作品なので、まだまだいろいろとお話したいことがあるんです。そして、皆さまには、来年公開される『Detonation』も楽しみにして頂ければと思います。『Reflection』についても、もし今日お話ししたオススメポイントが気になったら、2度3度と観て頂ければ嬉しいです」
日笠「公開から約1か月が経ちましたが、こんなにたくさんのお客さんに観に来て頂けることに、『なのは』という作品の力を改めて感じています。本性を出したイリスが『Detonation』ではどうなっていくのか? ユーリとの関係はどうなっていくのか? 気になるところがたくさんあると思いますので、ぜひ『Reflection』を何度も観て頂きながら、『Detonation』に備えて頂ければなと思っております」
このように、『魔法少女リリカルなのはReflection』の大ヒットを記念した舞台挨拶は、最初から最後まで、登壇者の「なのは愛」にあふれるイベントとなった。