第4話「ライバル!?もうひとりの魔法少女なの!」
とある週末。なのはと恭也は月村家へと出かけることになっていた。
なのははアリサとすずかのお茶会へ、恭也は恋人の忍に会いに。
バスに乗って出かけた月村家で、メイドのノエル・ファリンの出迎えをうける二人。
猫たちがくつろぐ、日差しが差し込むテラスの中ですずか・アリサと笑顔で挨拶をするなのは。
忍と恭也は部屋に行き、なのはたちはテラスでお茶会を開始する。
ふたりがなのはを誘ったのは、「最近なのはが元気がないから」という理由からだった。
悩みや心配があるなら話してほしい、と話すすずかと見守るアリサに心が揺れるなのはだったが、ユーノが子猫に追われ、お茶を持ってきたファリンを巻き込んでおおわらわになってしまったことで、うやむやになってしまう。
庭に場所を変えて続くお茶会だったが、庭先で一匹の子猫がジュエルシードを発見してしまう。
気配に気づき、現場に向かう二人。
だが、ユーノが展開した結界内で二人が見たものは、巨大化した子猫だった。
凶暴化することもなく、ただ大きくなっただけの子猫を手早く封印するべくレイジングハートを取り出すなのは。
だがその時、一迅の閃光が巨大子猫を襲う。
「魔法の光!?」とあわてるユーノ。
その魔法…射撃魔法・フォトンランサーを放ったのは、黒衣に身を包んだなのはと同世代の少女だった。
攻撃をつづける黒衣の少女。悲鳴をあげる巨大子猫を見てなのはは飛翔、防御魔法で子猫を守る。
なのはの前に姿を現す黒衣の少女…フェイトは、なのはを見て「同系の魔導師…ロストロギアの探索者か」とつぶやき、レイジングハートを見て「バルディッシュと同系のインテリジェントデバイス」と看破する。
フェイトの持つ漆黒の杖…バルディッシュを見つめるなのは。
フェイトはなのはに語る間も与えず、自らの杖・バルディッシュを武器形態に変形させ、ロストロギア、ジュエルシードを頂いていきます、と斬りかかってくる。
突然の行動にあわてつつも攻撃をかわすなのはだったが、フェイトの連撃に防御をするのが精一杯の状態。
「なんで急にこんな」と問いただすなのはに、フェイトは「答えても、多分意味がない」と冷たく返す。
離れた位置で、射撃姿勢のまま一触即発の二人。
なのははフェイトを見つめ、自分と同世代であること、綺麗な髪と瞳をしていることを改めて認識するが、その瞳の奥にわずかな疑問を感じる。
緊迫する二人の対峙だったが、目を覚ました巨大子猫に一瞬気をとられたなのはの隙をフェイトは見逃さず、フォトンランサーを放つ。
発射の瞬間、フェイトはかすかに「ごめんね」とつぶやくが、放たれたランサーの威力は容赦なく、直撃を受けて昏倒したなのはは宙を舞う。
落下するなのははユーノがかろうじて救出するが、巨大子猫が発動させたジュエルシードはフェイトによって封印され、奪われてしまう。
昏倒したなのはをじっと見つめるフェイトだったが、無言のまま立ち去っていく。
夕暮れ時に目を覚ましたなのはは、「転んで気絶していた」と兄やすずかたちに小さな嘘をつく。
そして、ジュエルシード集めを続けていけば、また戦いになってしまうのではないかという予感に戸惑い、迷うなのは。
フェイトは自室で、自らの使い魔…アルフに、今日の報告をしていた。
ジュエルシードを入手したこと。少し邪魔が入ったこと。
心配するような視線を向けるアルフに、フェイトは小さく「大丈夫だよ、迷わないから」とつぶやく。
そして、親子で写った写真立てを眺め「待ってて、母さん…。すぐに帰ります」と、静かに微笑むフェイトだった。